横浜大さん橋国際客船ターミナル
          行ってきました。

                             2002.8.10  photo by mirutake





 植田正治という写真家を知っていますか。
鳥取砂丘で撮った、なんとも<不思議で呑気な写真>*1があります。若いころから知っていたのですが、そのころは表現としての写真とか、反体制写真とか、非日常性とか言っていて、何で植田正治のような写真があるのかわからないでいました。実際このような大桟橋の風景を目の当りにして、高齢になったということも有るでしょう。建築の表現領域がゆったりしたところにあるということもわかってきたのでしょう。建築関係ではない友達と、見学に行っていたこともあって、こののんびりゆったりした砂丘のうねりのようなたたずまいを感じることができました。
 (*1本当は砂丘でのもっといい写真が有るのですが、写真集でないと見れません。残念。)



 コンペ入賞のときには、鉄板が床とも壁とも天井とも区別がつかないようにうねりながら、連続した新しい構造ということが売り物でした。実現となるとどうなることかという思いでしたが、構造的な変転を経て、実現したものは天井はアルミの切板、床・壁は木造となりました。建築雑誌や、友人が撮ってきた写真を見て、一体何なんだろうと、板張りの意味がよくわからない感じでした。











 関内駅から歩いて大桟橋に向かいました。
入り口でアスファルトから板に変わるところで、足から「ぴん」とした感触が伝わってきました。アスファルトとはこんなにも違う感触。板はぴんと張った張りのある、跳ね返りさえ感じさせる感触を返してくる。ふーん、こんなにピーンと張った板の感触は初めてだ。これは板と板を透かして張っていることが大きな要因だと思う。材種や、根太の掛け方とも関係しているかもしれない。そうか、軽快な歩行感かあ。そのための板なのか、と思ったしだいです。



 もう少し行くと、芝と土手の丸みに、人々が燦々午後に点々としているのが見える。アーこれはどこかで出会った風景だなー。そうだ植田正治の砂丘と点在する人たちの写真だ。そうか、この板のうねりは、このゆったりとしたうねりは、砂丘のようなゆったりさなのだと思えた。ここには垂直線も、水平線も全く無い。都会ではよもや出会えない異界を創り出せていると思う。


































 時代の先端の建築が、時代のスピードや効率やとは反対の、こんなにもゆったりとたゆたう外部空間を提供できている。この大きなうねりはランドスケープデザインからでなく、建築からのランドスケープの創造。建築で新たな「丘」を創造した感覚がある。直線から幾何学形態、そして手書きでは描けない大きな曲線へとコンピューターを駆使して作り出されたものは、大地の大きなうねりそのものであった。

                             20021010







ランドスケープと建築の関係を、私の見てきたものを中心に、少し追ってみよう。イメージをつなぎ合わせるに過ぎないが、方法の連続的な展開が見えてくるから、そんなに意味のないことではないだろう。

豊田美術館1996などでランドスケープアーキテクチャーのヨーロッパ的幾何学平面の造園からの脱出として、自由な平面構成と、材料の組み合わせ、歩く時の感触の違いにも新たな造園の表出をを見てきた。今多くの建築のランドスケープはこの領域にいると思う。

アクロス福岡1995のように、建築の大部分を樹木で覆ってしまう試みがある。また壁を植栽で埋める試みが始まっているといえる。藤森照信タンポポハウス1996ニラハウス1997。

ムーミン谷のムーミン屋敷1997のように、ように、土を屋根に載せることで、廻りの自然と一体であるかのように装う姿もある。建築の屋上に、樹木を植える指向性が一般化しようとしている。法制化された。

建築自体を地盤面下に埋めてしまう在り方がある。隈研吾の亀老山展望台1994や、北上運河資料館1998。大森貝塚遺跡庭園1996をここに入れることができるかもしれない。

東京ガーデニングショー「庭の神様御滞在」2000にみる造園による建築的な「囲まれた感覚の造園空間」を作ろうという表出があった。

大田区休養村1998とうぶでは、建築の幾何学的形態がその場の川や大地の地形と関係しようとしている有り方を見てきた。

今回横浜大桟橋2002では芝の力は借りてしまったが、木材の床が、大地であるかのように振舞う建築の先端形態を見ることができたと言える。


これらによってランドスケープと建築がどのよう関係してきたかの格闘の軌跡を見ることができると思う。

                            20021102



















設計者 hp   なかなかいい写真が有ります。

<設計者プロフィール>hp

大さん橋国際客船ターミナル hp

Structural Design Group hp

大桟橋(360度)夜景 hp  難しい夜景にも拘らず、大変美しく撮れています。







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