ディオール表参道 見てきました。

                            2003  設計 妹島和世+西沢立衛

                            photo by mirutake  2003.12.13/21




JR原宿駅から表参道に向かって歩いてゆく。5分くらい歩いてゆくと見えてくる。
先ず目についたのは「アレー!光っているところがあるじゃないか。」と言うことだった。一体どうなっているのか。シルクのカーテンでも掛かっているかのように白く見える。
接近して解ったのですが、カーテンのように見えるのは、アクリル板に大きな波形をつけ、また細かなピッチで横白線をプリントしていました。







とてもシンプルな形のビルですね。乳白色がとてもきれいです。
天井懐(ふところ)が非常に小さいですね。階高がいくつかの種類があります。異常に小さい階高がありますね。








カーテンウォールに街路樹が写る。右端が鋭角の出隅部。
よく見ると内部アクリル板に干渉縞の虹色が見える。


カーテンウォールに街路樹が写る。右側にはアクリルスクリーンの波板状の反射が見える。


カーテンウォール鋭角の出隅部、内部アクリル板に干渉縞の虹色が良く見える。




アクリルスクリーンの透ける度合いと、波板状の反射光を見て下さい。
ガラスは方建てなしのシール止めのみ。


アクリルスクリーンの下部止め付け部、床埋め込みの照明器具がある。


鋭角出隅部分の高さ方向中間部のアクリル押さえ。細い白色横線のプリントがわかる
アクリル板は厚み9ミリくらい。

夜景はまた一段ときれいだ。













出入り口が店舗には大変珍しい段が設けられている。


内部からのアルリル波板スクリーン。

同出隅部。隣のビル、イブサンローラン「YSL」の文字が見える。





単純な建物に見えて、複雑な表情を見せている。
いや単純な作り方で複雑な表情を造り上げている、と言うことのなのだ。
これらの表情の変化は、写真なしには伝えられないことでしょう。それもこのような大判写真でなくては。

銀座オパークで始められた、店舗ファサードの白い光の磨りガラスの大きな面の造りから、
また日立市のパチンコパーラーから始まったアクリル板のゆがみを使ったデザインの展開との融合したものと思える。


もう少し気づいたことがある。
普通の人は建物を見る時には、ほとんど玄関前という至近に立った時にしか建物を意識しないと思う。店舗で言えば、それは1階ファサードのことになる。
店舗オーナーもこのことは良く心得ているから、建築家に設計を依頼してもこれを渡さないのが通常と思われる。この表参道でもほとんどがそうなっている。それはブランドのショーウインドウとしては欠くことのできない最重要なものだと言うことだろう。
だが建築家側に明け渡している店舗1階ファサードもある。
表参道界隈の近作では、このディオールと、青山のヘルツォーク&ド・ムーロンのプラダのことだ。
そしてこの二つに共通しているのが、1階ファサードが建築家。側に属しているどころか、その1階ファサードからの連続性によって、2階以上のファサード全体さえも、一般の人の視線を呼び込んでいるように思える。


これだけ豊かに変化する表情を見せる建築なのだが、後で建築雑誌に載った立面図を見ると、結構驚きですよね。
当たり前だけど立面図では単純なカーテンウォールのビルにしか見えないですね。
まさか立面図に、アクリル板プリントのあんなに細かな横(白)線書いても意味ないし、またあの縦大波形も書き込めないし、虹色の干渉縞も書けない、アクリルの波面が反射する光も書き込めない。はたまた夜間照明に浮かぶ大波面の反射も。
普通の立面図ではもはや何も解らない(示せない)表現の領域に入っていると言うことなのですね。素材と光の反射の複雑な表現を創造する、透明材料の構成と言うところにきていると言うことなのだ。
これはヘルツォーク&ド・ムーロンの仕掛けた表層建築の展開が、このような深みを掴むところまで創造できたと言うことでしょうか。
                               2004.1.1




関連hp

私の建築手法「自作について」 妹島和世  パチンコパーラー I・II・III 

Dior







広告 [PR] 高収入  メイク 美容家電 無料レンタルサーバー