遊水館                    1998

潟博物館 (水の駅「ビュー福島潟」)
                        1997  青木淳

                  photo by mirutake  2002.8.16






 なかなか探訪記が書けないでいました。
この建物にはすごく期待が大きかったものですから、これじゃがっかりしたということしか書けないから、掲載できないと諦めていました。
でも気を取り直して、プール場としてどうかと見るなら、間違いなく面白い作品だよねということになる。だから思いの丈はきっちり清算させてもらうということで掲載しました。


 まず行きの新幹線の中で、もう一度建築家の設計趣旨を読んで、この人はとってもナイーブな人なんだなーと、その繊細さに改めて感心していました。それはひとつには、どんなプールも泳がない人にはまったく中がうかがい知れないものになっていて、閉鎖的なものになってしまうから、プールの中に道を通したというものでした。その道からプール内が見えるようになっていて、誰でもみんなが楽しく泳いでいるのを見ることができるというものでした。
私の昔の田舎での体験でも、市営プールにしても、小学校のプールにしても、プールには塀なんかがあってもすけすけの生垣みたいなもので、みんながわいわい楽しく泳いでいるのが外から見れたものです。そう泳がない人にも開放感を与えるものでした。これを狙って現代のプール場に道を通してしまった。まさに誰でも見れるものにしてしまった。すごくいいなーと期待でいっぱいで、是非チャンスを作って見に行きたいと思っていました。
 また有料だから仕方が無いのですが、でも塀で囲うようなことはしたくなかった、そのために水路をめぐらしたというのが、本当にナイーブな人なんだなーと思わせました。プール使用の料金を払った人と払ってない人の境界を余りに露骨なもので無いようにしたかった、と言うことですね。こんな期待いっぱいで向かったのです。


 豊栄について始めに安藤忠雄の図書館に行ったものですから、遊水園に向かったのは夕方になりました。
 宿舎の菱風荘から土手を歩きながら近づいて行くと、何やら大音量で軽快な乗りのBGMが聞こえてくるではありませんか。何か雰囲気良く無いなーと思ってしまう。若者達がたむろしているのかなーという感じです。
入口から入って行くと、直線の通路があって、すごい湿気です。
あー、ここかー。
通路の両側にはプールが見えます。ちょっと暗い感じです。それにここは道ではありません。空調も効いている、湿気でいっぱいですが、プール施設の完全に一部です。道ではありません。
通路から下のプールを覗く覗き穴もありました。通路を突き抜けて反対側に出ることが出来るようにはなっていますが、そこは真っ暗でとても道ではありませんでした。
 プールの内部を見ることのできる廊下を作ったという感じでした。これじゃ宣伝に偽りありだなーと思って、もう夜間になってしまって、写真は撮れないから、また明日くることにしました。



遊水館

水路の反対側土手から見る。


正面入り口










通路


のぞきあな


市の運営する菱風荘に泊まりましたが、ここは食事がでないので、朝からは同じく青木淳の設計になる潟博物館で朝食としました。こちらを一通り見てから遊水園に向かいました。

 そこでちょっと思い付いたのです。
昨日廊下と思ったエントランスホールの反対側は、どうも涼風荘に繋がっているのではないかというものでした。菱風荘のとなりには水俣病展示館があるのですから。
 行って見ますと建物の裏に草に隠れた道らしきものがありました。10メートルも行くとしっかり砂利の敷かれた明確な道になりました。そうかあまり使われない道だったんだ。この道が遊水館に繋がっていたことは言うまでもありません。



裏側通路






裏側出口






池浄化装置


裏側出口


正面入り口






ゴムチップ床材が厚みを見せた収まりになっている。


ゴムチップ床材とガラスが直に収まるかのようにしている。






天井面のテント地がみえる


のぞき穴の仕上げはヒョウ柄


ガラス枠が床ぞろ





 こういうのを道といえるのかというのは今も疑問。
やはりあの通路は冷房しないで、外部扱いにしてほしかったところだが、無理な要求なこともわかる。道と言うには開放感がないんだよなー。

 でも思い直してみれば、ということは道だと言われなければ、結構優れた設定だとおもえる。
泳がない人がプールの喧騒を体感できるスペースが用意されているのだから。初めての優れた試みです。
 またプール施設を囲む塀を嫌って水路を回したというのも、大変な労力でした。この近辺の泥田圃の運送用に利用されていた木舟を楽しみのために残す意味もあって、できたものでした。(水路の水質を管理する機械が置いてありました。)




潟博物館



このデッキ方向が福島潟






1階ホール




ホールから上への入口






窓方建てと床の収まり。


窓下枠側の床が一部外れるようになっている。
(これは空調吹出口か?)








吹抜け、柱が細長い。




いろんな材料が直接ぶつかっている。


排煙口か?






通路と展示パネル。
































展望台から
















展望台の人が見える


菱風荘から


 どちらの建物も同じような外観になっています。
1層目のウッドシダー張りの外壁は、廻りの木造民家に合わせているということなのかしら。
 潟博物館は遊水館をもっと上回る激しい内部の材料の使い方に戸惑いました。種類が多い。薄っぺらな張物を多用。この世代の人はこういう使い方なんだとしか言えません。
 構造もすごいのでしょうが、1階ホールの下から見た吹き抜けより、上から見た方が開放感が感じられた。きっと2階は外部へのガラス面に囲まれているからだと思った。


螺旋状に昇ってゆく展示スペースは面白いですよね。
福島潟を見ながら、だんだん高くなってゆくとき、景色がよく見えるようになるという期待が高まってゆきます。最上階の催し物ホールの階でも潟が良く見える角度になってくるのですが、ホールになっていて落ち着かないなーと思っていると、屋上があることに気づきます。
 屋上は2段構えになっています。
下層は手摺りが厚い板曲げのものになっていて、手摺りの向こう外側に2メートルくらいの床が有るので怖い感じはしません.
 上層展望台が圧巻でした。
簡単な丸パイプの手摺り、床が何と「ぞろ」のまま空に抜けてゆきます。すごい。パラペットのような立ち上がりが全く有りません。屋根防水としても大変でしょう。ほぼ360度見渡せるものです。あいにくこの日は深く雲が垂れ込めて、青空が望めませんでした。子供たちがはしゃぎまわっています。今にも落っこちそうな手摺りですが、もし落っこちても1層下に落ちる設定です。視覚的にもこの方が怖さが有りません。この広々とした潟を眺めていると、すぐそこに降りていって見たい気がしてきます。すばらしい展望台でした。

                  030325




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遊水館
プール名 遊水館(公共)屋外もあり
遊水館
青木淳


水の駅「ビュー福島潟」
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