MIKIMOTO Ginza 2
200512 設計 伊東豊雄
photo by mirutake 200601
MIKIMOTO Ginza 2 が開店したことを知り、早速出かけてきました。
場所を知らなかったので銀座通りのMIKIMOTOに寄って道を尋ねると、受付で下記の新ビルのパンフレットを貰いました。新ビルの建築に合わせたイメージを作っていて、面白いですね。
このビル型パンフの内側に、各階の案内が書かれています。
見えました。牛のまだら模様か、チーズの模様か。余りに周りと違うたたずまい。
背が高いからこれはキリンだという人もいます。
こういう身近な何かに喩えることを許す、柔らかな親しみやすい雰囲気があるのですね。
ここが直線幾何学形態への抽象と違う、曲線抽象形態に恣意的な意味を求めたと言うことなのです。
オー、まさにチーズブロックじゃないですか。色は薄いピンクですね。真珠のピンクと言うことなんですかね。
コーナーの開口が面白いですね。
この開口の左側は壁の厚みが200mmくらいに見えています。右側を見ると壁厚が無いかのように見せていることが解ります。
それは厚み方向の面が直角ではなく、45°に着けられているからなのですね。
それにしても9階建てで、柱が全く無く、この厚みの壁だけで建っているのですからすごいですね。この200mmも厚みを内側の鉄板と外側の鉄板でコンクリートを包み込んでいる構造になっているとのことです。
この建物は鉄板で造られた建築なのですが、鉄板の厚みさえ無いかのように見せています。ガラスの前にコーキング材がきて、次に鉄板の厚みがくる筈なのに!
厚み方向の面が直角ではなく、45°に着けられている。
外壁に雨垂れの後が見えます。
光っていてよく見えませんが、上部に横線があって、鉄板の継ぎ目であることがわかります。階の高さと、3m幅くらいの継目があるのですが、ここまでわからないように造り込んでいるということです。
このことに多くの労力をかけています。
これだけのプレーンな大きな面を作ることで、周囲の建築とは違う、抽象性の表現力(非現実感)を実現しているということなのです。そしてその抽象形態は堅苦しい幾何学形式ではなく、おもしろ抽象性とでも言いましょうか。
この開口のコーナーが丸いのは構造的に意味のあるとのこと。直角ではできないとのことです。
出入り口だけは鏡面のステンレス鉄板で厚みを意識させている。
開口上部は、少しせり出して、水切りになっている。
メイン玄関。段差はない。内部に階段が見える。
やっぱり立ち止まって覗いてしまう。
全面ガラスのファサードにはない、覗きやすさがあるように感ずる。壁に穿たれた開口だからではないだろうか。