新たな街路との一体感へ
これはたまたま通りかかった、事務所ビル1階の受付ホールです。
平日の午後7時ころでした。白に統一されたインテリアが美しいですね。
道路から引きを取って小路のようにしながら、視線をまっすぐ室内に引き込んで、街路と一体のような感覚を抱かせることに成功していると思う。
新たな街路との内外一体感の広がり
ここは廻りとは別の世界だ。
白に統一されたホール=まずそこに魅惑される。
それが敷地いっぱいに建て込んだ周りのビルたちとは、次元を異にした余裕のあり方からくるものだとだんだんわかってくる。
それは左側の通り抜け道のスケール感のよい路地的な雰囲気にあわせた、建物の引きから来るように思われた。大通りに面した側も引きをとって、樹木を植えて、スケール感のよい小路のような雰囲気を作っている。床のざらざらごつごつの石も小路であることを演出する。この小路は余裕を持った散策を保障している。
それにもっと貢献しているのが、外部の床面がなんの段差も無く、内部へとスルーっと水平につながっていること。これが視線の流れを小路から内部へスムーズに導いている。
はたまた焦点は内部だとばかりに、視線が奥のほうまで簡単に導かれるよう、大変明るい天井照明になっている。この小路とホールの今迄に無い一体となった広がりが、この明るさこそが、就業時間が過ぎ誰もいなくなったホールの白い家具たちを美しく演出している。周辺の暗がりに比べ、この内部ホールの白い飛びぬけた明るさは、視覚としてこの内部空間を街路に開放している感覚を作っている。
これらの作る余裕の感覚の中で、私たちはこの白いホールの美しさを感ずる。
ここで建築的に内部を見てみよう。
1階から地下階に下る階段に続く地下廊下が、1階ホール床から見ると掘り込みを作っていて、ホール椅子に座る人には空間感覚的な外部との隔たりを感じさせてくれていると思う。
そしてこの掘り込みは、サッシュぎりぎりまで切り込まれ、その地下壁となるところはなんと照明の仕込まれた光壁となっている。(照明壁は下に行くほど明るくなって、グラディーションが施されている。)この光の壁は、外に立つ人の足元が照明ボックスになっているわけで、床石のざらざらごつごつ感とともに、どっしりしているはずの外部床の存在感が揺らぎだしそうだ。(これと似た構成を、東京国際フォーラムのレンズ棟から眺めた中庭と地下の関係に見る。)
こういう光壁・外部床・サッシュのぎりぎりの構成が、小路からの空間の広がりを単純でない錯綜とした広がりにしていると思う。
せせこましい街並みに、このような室内空間までをも一体と感じさせてしまう空間構成の広がりに感嘆し、建築の外部との一体感を求める空間意識が、新たに(オープンカフェから)事務所建築にも展開してきた思いがする。
都市のこの内外一体の広がりとは何であるのか。
了 020809
白いホールとしか言えませんでしたが、壁面はよく見るとアイボリーですね。
天井が子供図書館の子どものへやと同じ不燃クロス張り込みによる光天井でした。
また受付のカウンターはマットガラスのグリーンです。その後の壁になにやら横長のガラスの小口を積層した装飾が見えますね。
こんなに内部が覗き込まれてしまう(街路と一体感あふれる)ホールがよくやれたもんだと思います。
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