京都三条小橋「time’sTU」行ってきました。


 高瀬川対岸からのつなぎ写真です。右端が三条小橋。








 JR京都駅からタクシーで20分程、三条大橋から向かいました。左手に見えてきます

















 time’sTを体験してまず大変驚いたのは、そのしっとりとした佇いでした。
川のほとりにあると言うのはわかっていました。その川の流れとの親密な距離は得難いものですね。
それも勿論あるでしょうが、今回体験して感心したのは、外壁のブロックが黒ずんできており、それがとても落ち着いた感じを伝えていました。近代の有名建築の打放しコンクリートなどでさえ、リニューアル時には建設当時が再現されてしまうのが当り前になっていると言う思いがありました。近代建築の単一の大きな壁面は、雨風による風化が、鑑賞に堪えないものとしか受け止められていないと言う思いですが。この建物は85年の建設ですから16年の黒ずみが、方やガラスの内部に見せる原色のインテリアと対比されて、大変興味深いものでした。こんな落ち着きを醸し出しているとは!
住吉の長屋(76)にもこのようなしっとりとした風合いがあるのでしょうか。
 上の写真のコンクリートブロック面を見てもらいますと、結構鉄の錆が垂れているのが見えます。
これはどうもコンクリートブロックの骨材に磁鉄鉱が含まれていたらしく、それが年月の風雨の中で錆として噴出していると言うことのようです。これも前記の風合いとして受け止めるのかと言うと迷うところですが、作家が意識してやったのならいいと思いました。どなたか情報ありましたら教えてください。

 ブロック壁拡大画像 











 私の安藤忠男の建築体験は、東京にあるコレッツィオーネ(89)しかありませんでした。
あの吹き曝しの空を走る階段と、吹き抜けの小ささとの感じがよくわからないところです。その他多くの建築も雑誌の写真でしか知りませんでした。
 今回のtime’sTの体験で納得させられたのは、露地的空間の「暗がり」でした。空に向かった狭い吹き抜けを取りながら、迷路状の露地空間は、空を持たないところでは当然暗がりになっていて、安藤忠男の建築空間意識の懐の深さというのを感じさせられました。もっともっとここを開花させて欲しいと思いました。これは雑誌では全くわかりませんでした。いうなればアングラマーケットの「建築化(高級化)」と言う感じを持ちました。

 下の写真は地下にあるトイレです。
ここは暗がりの露地空間とはうって変わって、真っ白は抽象空間です。トイレを近代の抽象的で衛生的な感じを、路地裏の暗がりと対比して相乗効果を狙っていると思えますね。露地の暗さに付いての受け入れがたさを持つだろう、若い女性のファッション世代に付いての補完感覚がここに現われていると思うのです。建築空間には暗がりが深さを与えるんだよと、作家はとても意識的だと思うのです。始めは裏露地と言う感じがしてどんどん入っていっていいのかな?と言う感じがするのですが、お店の人も知らん顔で受け入れてる感じがしてきて、平気に行ったり来たりできるようになってくる、と言う感じでした。
 そうこれ程暗がりが開花している現代建築はそう無いのではないでしょうか。



 time'sU(92)











 露地空間を抜けて反対側にでる。
ここは竜馬通りと言うらしい。観光マップを見ると「坂本竜馬寓居の後」という碑があったのでした。見落とした。


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